写真測量のためのカメラキャリブレーションの実施技術を修得しました。

はじめに

 UAVの普及に伴い写真測量が身近なものとなりました。ただ、普及したのは三次元復元技術(SfM)で、地形図作成への利用は僅かと思われます。

 地形図作成にUAVを利用するためには、歪みの少ないカメラを使用する必要があり、歪みが少ないカメラを見つけるにはカメラキャリブレーションを実施しなければなりません。

 当社では、カメラキャリブレーションの実施技術を修得しましたので、紹介させていただきます。

カメラキャリブレーションとは

 写真測量では、カメラで撮影された写真は、光が被写体とレンズ中心、写真上の像点を直線で通過するという共線条件を基本原理としています。しかし実際には、レンズが歪んでいて光が曲がったり、レンズ中心を写真に投影した位置(主点)が不明であったりするといった共線条件を満たせない状態が生じます。したがって、レンズの幾何学区的歪み(歪曲収差)や写真中心から主点までのズレなどを求め、共線条件を満たすように補正する必要があります。この作業が、カメラキャリブレーションと呼ばれています。

カメラキャリブレーションの実施

 カメラキャリブレーションを実施するには、形状が明確なターゲット(図1)を幾つかの方向から写真いっぱいに写るように撮影する(図2)必要があります。これによりターゲットとその画像が、レンズ中心を通って直線上にあるかを解析し、レンズ歪みや主点のズレを求めます。図3は撮影した写真の一部です。

カメラキャリブレーションの結果

 カメラキャリブレーションの結果は、図4のように整理しました。

 カメラのレンズは、フォーカッシングによってレンズが動き、それに伴って歪み状態や焦点距離、主点位置が変わってきます。したがって、それらを管理できるような様式にしました。

図4.キャリブレーションの実施記録

今後の写真測量への取り組み

 今後、当社ではUAV写真測量の学習と訓練を実施し、UAV写真測量による地形図作成や平面図作成のサービスを開始する予定です。